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第17回糖尿病教室

第17回糖尿病教室

「冬のフットケア」

足が冷える季節になりました。低温やけどに注意しましょう

 

1) 糖尿病足病変は4番目の合併症です:糖尿病では、①抵抗力の低下により感染症にかかりやすく、傷が化膿しやすい、②神経障害のために、痛みを感じにくくなっていおり、ケガややけどに気がつきにくい、③足の血流障害のために、ケガが治りにくく、壊疽になりやすい、という特徴があります。従って、糖尿病足病変は、神経障害、網膜症、腎症の3大合併症に続く4番目の合併症といえるでしょう。

2) 糖尿病では小さなケガやヤケドを、適切に処置しなかったために壊疽になることもあります。壊疽になると足の切断に至ることもあります。

3) 足病変を起こす危険性の高い人:

①    足先や足底がしびれる(知覚神経障害)

②    足の変形:外反母趾など

③    歩くと足が痛む、足が冷たい(血流障害)

④    足にタコ、ウオノメがある

⑤    目が悪くてよく見えない→爪きりに傷を作りやすい、傷が見えない

⑥    血糖コントロールが悪い

⑦    以前、足の潰瘍・壊疽を起こした。

4) 低温ヤケドは42〜46℃の心地よい温度に1時間30分以上触れると発生します:低温ヤケドはヒフ深く損傷されるので治りにくい特徴があります。こたつ、あんか、湯たんぽ、電気毛布、車のヒーター、携帯カイロ、ストーブなどで起きます。

5) こたつ:温度調節を弱にして、裸足では入らず、ヒーターの真下に足を入れないようにしましょう。

6) あんか、湯たんぽ:あらかじめ布団を暖めるために使い、布団に入ったら使わないようにしましょう。どうしても使いたいときには、温度調節を弱にして、直接足に触れないように、大きく厚めのバスタオルで包み、ひもでしばりましょう。

7) ストーブ、温風ヒーター:温度調節を弱にして最低2 m離れましょう。

8) 携帯カイロ:最高温度が70度になることもあるので、数枚の布の上から貼り、こまめにはずしましょう。カイロを靴の中に入れるのはやめましょう。

9) お灸:やめましょう

10)         お風呂に入る時のポイント

①    湯船に入る前は、手で湯加減を確かめる

②    柔らかいスポンジやタオルで、足の裏や指の間をていねいに洗う

③    軽石やナイロンたわしは使わない

④    足がふやけるほどの長風呂はダメです。ふやけた皮膚は傷つきやすいからです。

⑤    入浴後は水分をしっかりふきとり、クリームを塗って皮膚が乾燥しないように

11)ケガの防止のため、素足を避け靴下をはきましょう

①靴下は通気性のよい綿かウールのもの

②足を締め付けすぎず、ずれて下がらないもの

③ケガによる出血に気づきやすい白色のもの

④毎日はき替えて清潔を保つ

⑤雨水でぬれたときは、早めにはき替える

⑥    ハイソックスは膝下で圧迫されないものを:締め付けると血流が悪くなります

12)足の乾燥・亀裂:冬のかかとのひび割れは「水虫」の可能性があります。角質増殖性白癬といいます。かかとは角質が厚く分厚いので、水虫でもかゆくなりません。かかとのひび割れがある方は、病院で白癬菌の検査をしてもらいましょう。

13)足の乾燥・亀裂の手入れ

①毎日、足を良く洗い保護クリームを塗る

②足が冷たく血流の悪い方はユベラ軟膏を:ビタミンEが入っているので血流が改善されます

③傷のあるところや指の間にはクリームは塗らない:じくじくします

④軽石でこすらない

⑤靴下による保湿

14)足が冷たい方は足浴はどうですか?

①市販の足浴器では温度設定できる機種がお奨めです

②38-39℃で、足首まで15分間つける

③足浴後はタオルで水分をよくふきとる

④保湿軟膏を塗る

⑤足浴後はすぐに寝ましょう

15)足のチェックポイント(血流編):以下の変化があれが血流が悪いかもしれません

①ヒフの色が白くなったり、暗赤紫色になっていないか(運動した後で左右の足を比べてみる):

②皮膚がかさかさしてつやがない、すねの毛が抜ける

③ふくらはぎの肉が落ちて細くなる

16)足のチェックポイント(神経編):以下の症状は神経障害の可能性があります

①足の裏や足先がジンジン、ビリビリする

②砂利を踏んでいる感じがする

③ふくらはぎが硬く、つりやすい

④ふとももがジンジンする

⑤足が冷えやすい

17)足のチェックポイント(ヒフ編)

①ヒフは乾燥してますか

②足の爪やヒフの色に変化はありますか

③爪の形や爪の色に変化ありますか

④水虫はありますか

⑤タコ、ウオノメはありますか

⑥赤くなったり黒くなった部分はありませんか

⑦    かかとに靴ずれ、乾燥、ひび割れはありませんか

18)糖尿病足病変は、患者さん自身で足の異変を早期に発見して、潰瘍や壊疽に進行することを予防できます。毎日足を良く観察しましょう。足の裏は、手鏡を使ってみるようにしましょう。

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今城内科クリニック